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編集後記 「充実した旅行の条件」

4月中旬、取材で宮城県気仙沼市に行ってきました。みなさんご存じの通り、気仙沼は高級食材・ふかひれのご当地。もちろんふかひれの取材も。ふかひれの煮込み、ふかひれ寿し、ふかひれせいろ飯…さまざまなふかひれ料理を堪能させていただきました。しかし気仙沼、マグロ、メカジキ等の基地でもあり、魚介類全般がすこぶる美味。特にメカジキは旨かったなあ…あと、ふかひれつながりで言えば、サメの心臓。これがレバーと馬肉の良いとこどりのような豊潤な旨み。この刺身は絶品です。そしてこれこそふかひれのご当地・気仙沼ならではの味。

35_01.jpg …まあこれら気仙沼グルメは取材の一部で、本来の目的は健康食品・サメ軟骨のルーツを探ること。サメの水揚げから解体工場、加工工場…とサメ軟骨ができるまでの現場を一部始終見させていただきました。特に朝3時半から見たサメ水揚げの市場は、すさまじい力強さ。“生き物が生き物を獲る”という原始的な行為の迫力に、ただただ圧倒。都会っ子には刺激的でした。はい。

この取材、1泊2日にあらゆる工程を詰め込んだため、かなりハードなスケジュールで進行しました。2日間、睡眠時間もほとんどなく(それは決してサメ水揚げの1時間前まで飲み続けていたからではありません)、移動時間と取材の繰り返し。いやー…今までいろいろな取材を経験してきた私ですが、今回は心身共にすべてを投げ打った感じ。もう一回行ってこい、と言われたら、残念ながら丁重にお断りします(笑)。

35_02.jpgでも不思議なもので、全く余裕のなかった取材旅行なのに、むしろその時々の事柄は鮮明に覚えていたりします。移動中電車から見た松島の景観、その車中で話しかけられたおばあちゃんの独特の雰囲気、見学させていただいた工場の方の笑顔、すべての取材が終わった後入った喫茶店(なのに祝杯がてらビールを大量に飲んだ)の店内のインテリア…今目を閉じてもありありと思い出すことができます。

記憶に残っている旅行って、案外トラブル続きだったり、ハードな事柄が次々と降りかかってきたり、そういうものだったりしますよね。そしてそのあわただしさの合間に見た景観や出会い、味覚などは、ことさら強く心に刻まれていたりして。

35_03.jpg 今、とある案件でシニア向けの旅行を考案したりする機会があるのですが、シニアの方々だからといってゆとりある旅行を楽しむ…なんて“守り”の姿勢では、本当に充実した旅行はできないのではないでしょうか。むしろ“攻め”の、多少無理・無茶のあるぐらいの計画のほうが良いのでは…なんて思ったりしています。■


※今回の写真は、気仙沼取材のカメラマン・yOUさん撮影のものをお借りしました。斬新な企画を多数手がける気鋭の方。その一方で堅実派の一面も持つ、味のあるカメラマンさんです。http://www.youk-photo.com/ 
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