編集後記 「“昭和”って何だ?」
“昭和”って何でしょう――
いや、平成の前の元号ということは分かっているのですが、そうではなく、よく「“昭和”だなあ」とか「“昭和”っぽいよね」とか、そういう風に使われる時の意味や価値――それを自分なりの結論付けられず、悶々としながら頭を抱えているのです。
こういう風に悩み始めたきっかけは、とあるベンチャー社長への取材。現在その社長に様々なテーマについて話を聞き、経営理念、仕事観、人生観などを小冊子にまとめるという仕事をしているのですが、その中で出たテーマの一つが、“昭和”。これが彼の価値観の中でも非常に重要らしく、そのテーマについては他に比べ、結果的に長時間かかりました。ちなみにその社長にとっての“昭和”とは、ざっくり言うと「見えない価値」を尊重する文化。そしてそれは混迷した現代社会を再生させる突破口になる、と。今こそ“昭和”の価値を見直し、生活の中に取り入れれば、人々の意識が変わり、残酷な事件や社会問題が減る…と力説。ううむ、経営者らしく社会正義性も含めた説得力のある“昭和”の定義。御見それしました。で、その時はそれ以上“昭和”について言及することなく、取材は終了。
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しかし後日、改めてその時のことを思い出し、自分なりに“昭和”について考えてみると…本当、“昭和”という言葉には、多くの解釈が含まれているのだな、とわかり始めたのであります。“昭和”という美しさ、“昭和”という丁寧さ、“昭和”という厳しさ…で、気がつくとそんな“昭和”に強くひきつけられている自分に気が付きました。そしてこう思うようになったのです。「その社長のように、私なりの“昭和”の定義を探してみよう」と。まあ要は偏屈なライターの言葉遊びみたいなものですが、皆さんも“昭和”という言葉に含まれる意味や価値、考えたことがありますか? 案外漠然としていて、でも自分の体の中には確固たるものがある。しかも皆さん、結構この“昭和”、さほど嫌いじゃないはず。我々日本人にとって、不思議な存在なのです。“昭和”とは。
…とはいえ、いくら考えても明確な結論は出そうにないので、ちょっと角度を変え、頭ではなく身体で“昭和”を考えてみようと思います。これまで多少なりとも街取材をしてきた私。上野のアメ横、中野北口の飲み屋街、品川の旧東海道宿場町の一帯、三軒茶屋駅周辺の昔ながらの商店群…“昭和”を間違いなく感じる場所を経験して来た訳で、それらを改めてぶらついてみようと思っています。そうすればもう少し私の中の“昭和”がクリアなものになってくるかもしれませんので。
余談ですが、きっかけを作った社長の“昭和”の話は、三軒茶屋の赤ちょうちんが美しい居酒屋さんで、ホッピーを片手にちびりちびりとやりながら伺いました。この“昭和”は、とても楽しく、心地よいものでした。
いや、平成の前の元号ということは分かっているのですが、そうではなく、よく「“昭和”だなあ」とか「“昭和”っぽいよね」とか、そういう風に使われる時の意味や価値――それを自分なりの結論付けられず、悶々としながら頭を抱えているのです。
こういう風に悩み始めたきっかけは、とあるベンチャー社長への取材。現在その社長に様々なテーマについて話を聞き、経営理念、仕事観、人生観などを小冊子にまとめるという仕事をしているのですが、その中で出たテーマの一つが、“昭和”。これが彼の価値観の中でも非常に重要らしく、そのテーマについては他に比べ、結果的に長時間かかりました。ちなみにその社長にとっての“昭和”とは、ざっくり言うと「見えない価値」を尊重する文化。そしてそれは混迷した現代社会を再生させる突破口になる、と。今こそ“昭和”の価値を見直し、生活の中に取り入れれば、人々の意識が変わり、残酷な事件や社会問題が減る…と力説。ううむ、経営者らしく社会正義性も含めた説得力のある“昭和”の定義。御見それしました。で、その時はそれ以上“昭和”について言及することなく、取材は終了。>
しかし後日、改めてその時のことを思い出し、自分なりに“昭和”について考えてみると…本当、“昭和”という言葉には、多くの解釈が含まれているのだな、とわかり始めたのであります。“昭和”という美しさ、“昭和”という丁寧さ、“昭和”という厳しさ…で、気がつくとそんな“昭和”に強くひきつけられている自分に気が付きました。そしてこう思うようになったのです。「その社長のように、私なりの“昭和”の定義を探してみよう」と。まあ要は偏屈なライターの言葉遊びみたいなものですが、皆さんも“昭和”という言葉に含まれる意味や価値、考えたことがありますか? 案外漠然としていて、でも自分の体の中には確固たるものがある。しかも皆さん、結構この“昭和”、さほど嫌いじゃないはず。我々日本人にとって、不思議な存在なのです。“昭和”とは。
…とはいえ、いくら考えても明確な結論は出そうにないので、ちょっと角度を変え、頭ではなく身体で“昭和”を考えてみようと思います。これまで多少なりとも街取材をしてきた私。上野のアメ横、中野北口の飲み屋街、品川の旧東海道宿場町の一帯、三軒茶屋駅周辺の昔ながらの商店群…“昭和”を間違いなく感じる場所を経験して来た訳で、それらを改めてぶらついてみようと思っています。そうすればもう少し私の中の“昭和”がクリアなものになってくるかもしれませんので。余談ですが、きっかけを作った社長の“昭和”の話は、三軒茶屋の赤ちょうちんが美しい居酒屋さんで、ホッピーを片手にちびりちびりとやりながら伺いました。この“昭和”は、とても楽しく、心地よいものでした。
[ 編集後記 ]