虎ノ門――その言葉から連想するのは、都心、ビジネス街=人の住む場所じゃない…いやいや、実は虎ノ門、非常に住み心地の良い街である。まず、意外にも緑が多い。特に愛宕神社近辺は、道路沿いからは想像できないほど、大きな自然に包まれている。まさしく都会のオアシス、と言った感じ。
そして、この街には歴史がある。歴史のある街に共通するのは、精神的な人の居場所を用意してくれること。再計画により、街並には真新しさが目立つが、その中にどこか漂う、歴史が醸し出す、やさしい空気。地下鉄神谷町の裏手、虎ノ門4丁目〜5丁目近辺は、その象徴ともいうべき場所。古くからある住宅街と新たに作られたモダンな空気が程よくあいまって、働く人にも、住む人にも、居心地良い情緒が漂う。逆に地下鉄虎ノ門駅近辺は、純粋な歴史の街。昔ながらのビルや商店が、気取らず、落ち着いた風情で佇む。そこをぶらぶらしているだけでも、なんだか癒される気分だ。
もちろん、再計画されたことによる最先端のビル群、それに伴って作られた広場、階段なども、住むには便利な要素。働くためにオフィス街に住む――という目的だけでは、虎ノ門はあまりにも、もったいないところだ。 |