江東区の東端から地上に出た都営地下鉄新宿線が、併流する荒川と中川に架かる長い鉄橋を越えると、江戸川区の船堀だ。近年、船堀は区内でも区画整理や環境整備などの開発が最も進められたエリアである。地下鉄だが高架上にホームのある船堀駅周辺には、地上115メートルの展望台を有するタワーホール船堀(江戸川区総合区民ホール)や、27階建てのトキワタワーと隣接するショッピングモール、大型スーパーマーケットのダイエー、江戸川区勤労福祉会館、東京健康ランドなど公共施設や商業・娯楽施設が集まり、中小の店舗が並びショッピングエリアとして賑わっている。一方、住宅区域には緑の多い公園が点在し比較的閑静な環境だ。また、広大な川幅の荒川・中川の流れ、そこに架かる新大橋通りの船堀橋や首都高速道路の景観も雄大だ。
江戸川区の地名は区の東側を流れる江戸川が由来だが、この地が初めて歴史に登場するのは正倉院に伝わる「正倉院文書」で、下総国葛飾郡の戸籍に「甲和里」という地名と50戸ほどの里と記されている。そこは現在の小岩とされ、船堀辺りは川や沼の入り組む湿地帯だったようだ。室町時代には葛西付近に漁港が開け賑わったが、船堀周辺の開発は江戸時代に入ってからだ。