品川区の北部にあたる五反田は様々な顔を持つエリアだ。その中心となっていのは五反田駅で、JR山手線のほか東急池上線や都営地下鉄浅草線も乗り入れている。
駅の周辺は繁華街で、特に飲食店が集中し高級レストランから庶民的な店まで多彩に揃っており、西口の一画には昔ながらの商店街も健在で、大型スーパーマーケットの東急ストアーも駅に隣接している。一方、ソニーをはじめ大手企業の本社や都市銀行の各支店、多くのIT関連企業などが集まる都内でも有数なビジネス街でもある。また、駅から少し離れると閑静な住宅地が広がり、島津山、池田山、桐ヶ谷などは高級住宅街として知られている。五反田の地名は寛文11(1671)年の検地帳に初出しており、大崎村の小字名で五反の田圃しかない谷地だったことから付いたと伝わる。また、江戸時代には桜通り(中原街道)を挟んだ北側に岡山藩池田家の大崎屋敷と呼ばれた下屋敷あった。
それが由縁で池田山と呼ばれている地域。南側は仙台藩の伊達家下屋敷だったが、明治6(1873)年に旧薩摩藩主島津家の所有になったことから、一帯を島津山と称されている。五反田駅が開通したのは明治44(1911)で、当時は一帯が田圃だったという。その後、大規模な製薬工場の建設や、島津山や池田山の土地分譲などにより発展し、今日に至っている。製薬会社の跡地はTOC(東京卸売りセンター)となり、飲食店や小売店が数多く入り、有名ブランドメーカーの直売セールなども開催され、屋上にゴルフ練習場もある。また、池田家の大崎屋敷の奥庭だった場所は池田公園に整備され、起伏に富んだ緑豊かな憩いの場として親しまれている。島津家の旧邸宅は清泉女子大の本館となって残っており、イタリアルネッサンス風洋館の貴重な建物として有名だ。五反田公園や目黒川沿いの桜並木、歌舞伎でお馴染みの白井権八と小紫にまつわる少女の悲話が伝わるかむろ坂も桜の名所で、かむろ坂公園には坂の由来も紹介されている。近くの安楽寺は塩掛け地蔵でも知られる古刹で、白井権八と小紫の連理塚がある。隣接する氷川神社は桐ヶ谷村の総鎮守だった社で、参道に楠や欅の大木がそびえ、高台にある本殿からの見晴らしがいい。境内の氷川の滝は有名だが、今は水量も少なく手水として使われている。少し脚を伸ばせば寝釈迦寺で江戸時代の山門をくぐると、境内で四季それぞれの豊富な花々が楽しめる。ここまで来れば目黒不動も近く、街歩きを楽しむ場所も多い。五反田駅から品川へ約5分。渋谷へ約7分、新宿へは約13分。銀座・日本橋方面へは浅草線が直結している。道路は第2京浜と中原街道の分岐点にあたり、環状6号線もエリア内を縦貫している。五反田は交通にも極めて恵まれているエリアだ。 |