中目黒は、駅を境に北西側と、南東側とで、大きく趣が異なる。まず、北西側。こちらはどちらかというと、いわゆる中目黒のイメージである、流行の街…というのとは真逆の、使い慣らされた情緒あふれる日本の街並。ガード下の居酒屋、山手通り沿いの洋食屋、住宅街に肩を狭めて立ち尽くす、東急ストア…ちょっとした昭和の風景を髣髴させる。いわゆる中目黒の“おしゃれ”ショップもどちらかと言うとこちら側に多く並ぶが、実はそれは昔ながらの店店の中に、申し訳なさそうに入れてもらっている感じ。この流行を「受け入れてあげている」余裕、それこそ、中目黒という街のグレードか。
そしてもう一方の南東側。こちらはどちらかというと、“今風”。駅をすぐ出たところにそびえ立つ、新たに出来た中目黒GTがその象徴。でも、その裏手にある目黒区役所の影響か、やはりどこか懐かしい、昔ながらの空気が…。
中目黒がこうした古きよきニッポンを保てるのも、それ以外の要素を全て周辺が担ってくれているからだと考えられる。新道坂を上っていけば代官山。そこからもう少し足を伸ばせば、恵比寿。また、駅から山手通りを北西に登っていけば、246号線と池尻大橋。それぞれ表情がまったく異なる街が隣接。でもその中で、住むのはやはり中目黒、なのかも…。そんな難しいことは考えなさんなとばかりに、今日も目黒川は、昔と変わらず悠々と流れている。 |