武蔵新城というのは、なんだか不思議な街だ。
正直、街としての知名度は高くない。どちらかといえば近隣の武蔵小杉や溝の口のほうが知られる存在といえる。実際この両街には、南武線のほか他の線が通っており、交通の便は南武線しか通らない武蔵新城よりも高い。その影響からか、街としての活気、開発度合いなどを比較しても、明らかに武蔵小杉、溝の口のほうに軍配が上がる。
だが、実際武蔵新城駅に降り立ち、何日間かぐるぐる街を巡ってみると、その二つの街に負けないぐらい、良い印象を受けるのだ。おそらくそれは、メディア等では表現しにくく、そして体感したものにしかわからない魅力が、この街には詰まっているということなのだろう。
この街、一見落ち着いた住宅地のような印象を受けるが、目立たないだけで実際はかなり生活環境が充実している。駅前には、9つもの商店街が同居し、それぞれ独自性を保ちながらこの街に住む人たちの生活を支え、活気を与えている。駅から少し離れれば、学校、病院と、安心した生活が送れる施設が充実。さらにもう少し駅から離れると、東に等々力緑地、北に多摩川と、住む人の心を癒してくれる自然が待ち受けている。その中で犬を連れて歩く人、サイクリングする人、家族連れで遊びに来る人…様々な人が、ほど良い緑の中で有意義な時間を過ごす。等々力緑地には本格的スポーツ施設のほか、美術館が立地。ある意味、神奈川県の北東部にある理想的な住環境の条件を、武蔵新城ではまとめて利用できてしまうのだ。
目立たないだけで、実は内容がある街。こういう場所を見つけることにこそ、住む街を探す楽しさが隠されていると言えよう。 |